偽物の腕時計をはめた時に学んだこと

私がまだ20代前半の頃、一時期、スイスのブランド物の腕時計に憧れたときがありました。シンプルな形でありながら、いかにも重そうなゴツゴツとした感じがたまらなかったのです。しかし、カタログを見る限りでは、最低でも三十数万円はします。とても、普通の若者が手の出る価格ではありません。

そこで、東南アジアのほうへ会社の研修に行くという兄に頼んで、ブランド物の腕時計の模倣品を買ってもらいました。それは、ゴールドとスチールが融合したお洒落なデザインをしていて、中央上部にあるマークもそっくりでした。その時は、「これであればあの有名なブランド時計に見える!」と思い、早速、仕事場にしていくことにしたのです。しかし、いざ腕にはめてみると、実物とは違って驚くほど軽いではありませんか。それはまるで、おもちゃのような軽さでした。そして、仕事場ではすぐに偽物だとばれて恥ずかしい思いをする始末です。そしてそれ以来、その模倣品ははめなくなったのです。

それから5年程経ってから、十数万円で買えるスイスのブランド物の腕時計を買いました。以前憧れていたブランドではありませんでしたが、はめてみると重さがあって存在感もあります。そして、気持ちまで自信が湧いてきます。

安物買いの銭失いとはよく言ったものです! やはり本物は良いですね。結局その腕時計は、10年以上大事にしました。

それ以来、どうしても欲しい物が有るときは、安い物で妥協しないようにしています。

父が腕時計をするようになった日

職業柄アクセサリーはもちろん、腕時計をすることがない父が、唯一腕時計をしていたのが冠婚葬祭でした。

高価なものではないのですが、冠婚葬祭ではなかなか周りに時計がなく、時間を確認するために腕時計は必要だろうと母が買ってきたものだそうです。

家族も親戚も多い方ではないので、腕時計はほとんどされることなく、いつもぴかぴかです。

そんな腕時計ですが、使おうとして出したところ、電池が切れていたそうです。

たまにしか使わないうえ、たった1日・・・腕時計などなくても良いかなと思ったらしいのですが、1日悩んだ挙句電池を入れにいっていました。

そんな様子を何ともなく見ていたのですが、電池交換の帰り、きちんと時計を腕にはめて返ってきた父をみて、ちょっと驚きました。

いつもはスーツに腕時計をしている姿しか見たことがなかったので、私服に腕時計は初めての姿。

半袖シャツに腕時計がなんだかスマートでカッコよく見えてしまいました。

「腕時計するの良いね」と口をついて出た言葉に父は気を良くし、「どうせ職場ついたらはずすんだから」と言っておきっぱなしだった腕時計を、こまめにつけて出かけるようになりました。

娘に褒められたからって、と、母は笑っていましたが、自分が結婚してからも腕時計をこまめにつけています。

それを見るたびに、自分が言った一言を思い出してほっこりとした気分になります。ヴィヴィアンウエストウッド(Vivienne Westwood)腕時計専門店 | ヴィヴィアンエリア